プロローグ
SNSの世界は、まさに情報戦です。
毎日膨大な数の投稿が流れ、ユーザーのタイムラインを瞬く間に通り過ぎていきます。
「いいね」も「シェア」も「コメント」もつかず、誰にも見られることなく埋もれていく投稿の多さに、心を痛めている企業アカウントも少なくないでしょう。
あなたは、
「どうすればもっと多くの人に見てもらえるだろう？」
「なぜ、こんなに良いコンテンツなのに反応がないのだろう？」
と悩んでいませんか？
その答えは、もしかしたら「キャッチコピー」にあるかもしれません。
しかし、単に「うまい言葉」を並べるだけでは不十分です。
SNS時代において、投稿の拡散力を決定づけるキャッチコピーの9割を占める、ある「〇〇」の法則があります。そして、その重要性は、多くの企業や個人が経験してきた「失敗談」からこそ、浮き彫りになります。
この記事では、キャッチコピーそのものの作成テクニックではなく、「SNSで拡散されるキャッチコピーの核となる『〇〇』の正体」、そして「その『〇〇』を疎かにした時に起こる、残念な失敗」から、明日からのあなたのSNS投稿が見違えるヒントをお届けします。
第1章：「〇〇」の正体
―SNSで拡散される投稿の「感情コア」―
SNSにおいて、投稿が「拡散される」とはどういうことでしょうか？
それは、単に多くの人の目に触れるだけでなく、ユーザーが「これを他の人にも伝えたい」「この感情を共有したい」と感じ、自らの意思で「シェア」や「リポスト」といった行動を起こすことです。
そして、この「シェアしたい」という衝動の源泉こそが、キャッチコピーが持つべき「〇〇」の正体、すなわち「感情のコア」です。
どれだけ美しい写真や完璧な動画を用意しても、ユーザーの感情に触れる「言葉」がなければ、その投稿は「素晴らしいけど、私には関係ない」と判断され、指は次の投稿へとスクロールされてしまいます。SNSのタイムラインは、情報収集の場であると同時に、感情が瞬時に共有される「共感のプラットフォーム」なのです。
感情のコアがなぜ9割なのか？
人間が情報を受け取り、行動するプロセスにおいて、感情は理屈に先行します。
SNSという瞬間の勝負では、特にこの感情への訴求が重要です。
- 共感：「わかる！」「私もそう思ってた！」
- 驚き：「え、まさか！」「知らなかった！」
- 怒り：「これは許せない！」「何でこんなことが…」
- 喜び：「やった！」「最高！」
- 不安と希望：「もしかして私のこと？」「これで解決するかも！」
- 憧れ：「私もこうなりたい！」
これらの感情を呼び起こすキャッチコピーは、ユーザーの心に「チクリ」と刺さり、あるいは「ふわり」と包み込みます。
この心の動きこそが、エンゲージメント（いいね、コメント、シェア）のトリガーとなり、結果として投稿の拡散力を飛躍的に高めるのです。
つまり、SNSのキャッチコピーは、ユーザーの頭ではなく、まず「心」を掴むことが9割なのです。
第2章：「感情のコア」を疎かにした
失敗談から学ぶ教訓
では、「感情のコア」を持たないキャッチコピーは、SNSでどのような悲劇を生むのでしょうか。実際に多くの企業が見落としがちな失敗談から、その重要性を浮き彫りにします。
失敗談1：【事実だけを並べた「無感情」コピー】
- 投稿例: 「新商品発売のお知らせ。〇〇（製品名）が本日より全国で販売開始。高性能チップ搭載で処理速度が従来比20%向上。ぜひお試しください。」
- 背景にある考え方: 「製品のスペックを正確に伝えれば、その良さが伝わるはず。」
- 結果: 「いいね」数やシェアが伸び悩む。コメントもほとんどない。
- なぜ失敗したか？: このキャッチコピーには、事実や機能はありますが、お客様の「感情」に訴えかける要素が皆無です。
高性能チップが搭載されて「だから何？」というユーザーの疑問に答えていません。処理速度が20%向上して、お客様の生活がどう変わるのか、どんな未来が待っているのか、一切示されていません。SNSのユーザーは「機能」よりも「ベネフィット」や「感情的な価値」に反応します。無感情な羅列は、瞬時にスルーされてしまいます。
失敗談2：【誰にでも当てはまる「汎用的」コピー】
- 投稿例: 「お得な情報！今ならキャンペーン実施中！見逃しなく！」
- 背景にある考え方: 「多くの人に響くように、あえて限定的な言葉を使わない。」
- 結果: 「いいね」はわずか。「お得」と言っているのにクリックされない。
- なぜ失敗したか？: 「お得」「キャンペーン」という言葉は、確かに魅力的です。しかし、「誰にとってお得なのか」「何がどうお得なのか」が一切伝わってきません。
対象が広すぎると、結果として誰にも響かないというパラドックスが起こります。
お客様は「これは私のためだ」と感じることで初めて興味を持ちます。誰にでも当てはまるように見えて、実は誰の心にも刺さらない。感情のコアが欠如しているどころか、ターゲットすら曖昧なため、何の共感も呼びません。
失敗談3：【売り込み感丸出しの「押し付け」コピー】
- 投稿例: 「今すぐ購入！期間限定セール実施中！絶対にお見逃しなく！」
- 背景にある考え方: 「とにかく行動を促したいから、強くプッシュする。」
- 結果: 多くのユーザーが不快感を覚え、フォロー解除やミュートが増える。エンゲージメントは低迷。
- なぜ失敗したか？: SNSは、友人や知人とのコミュニケーション、あるいは共感や楽しさを求める場です。
そこに、いきなり「今すぐ買え！」という強い押し付けが来れば、ユーザーは反射的に拒否反応を示します。
これは、感情のコアが「不快感」や「嫌悪感」に直結してしまうパターンです。ユーザーが自ら「知りたい」「欲しい」と感じるための感情のフックがなく、一方的な売り込みになっているため、信頼関係を築くどころか、破壊しかねません。
これらの失敗談からわかるのは、キャッチコピーに「感情のコア」がないと、「見られない」「響かない」「嫌われる」という負の連鎖が生まれるということです。
第3章：「感情のコア」を宿した
キャッチコピーの具体例
では、「感情のコア」を持つキャッチコピーとは、具体的にどのようなものでしょうか？
ここでは、その特徴と事例をいくつか紹介します。
1. ユーザーの「痛み」や「悩み」に寄り添い、希望を提示する
人は、自分の抱える問題や痛みを解決してくれる情報に強く反応します。
- Before: 「効率的なタスク管理ツール」
- After: 「残業地獄、もう終わり。AIがあなたの『やることリスト』を自動整理します。」
- 感情のコア: 残業地獄からの解放（安堵、希望）。「私だけじゃない」という共感。
2. ユーザーの「願望」や「憧れ」を掻き立てる
未来の理想の自分や、まだ見ぬ喜びを想像させる言葉は強力です。
- Before: 「肌荒れ改善美容液」
- After: 「鏡を見るのが、毎朝楽しみに変わる1滴。素肌に自信、新しい私へ。」
- 感情のコア: 自己肯定感の向上（喜び、自信）。理想の自分への憧れ。
3. 意外性や「秘密」を匂わせ、好奇心を刺激する
人は、知らないこと、隠されたことに強く惹かれる心理があります。
- Before: 「〇〇業界の最新情報」
- After: 「【業界の裏側】誰も教えてくれない〇〇の真実が、ついに暴かれる。」
- 感情のコア: 知的欲求（好奇心）。優越感（誰も知らないことを知る喜び）。
4. ユーモアや共感を誘う「人間味」を出す
SNSは人対人のコミュニケーションが基本。企業アカウントでも人間味を出すことで親近感が湧きます。
- Before: 「当社の新商品をご紹介します。」
- After: 「正直、開発担当者が泣きました。まさかこんなにバズるとは…！（新商品〇〇）」
- 感情のコア: 親近感、共感。ユーモアによるポジティブな感情。
5. 具体的な数字や比喩で「リアリティ」と「衝撃」を与える
具体的な数字や、感覚的に理解しやすい比喩は、感情を動かす力があります。
- Before: 「環境に配慮した製品です。」
- After: 「この一枚が、未来の海を守る。海洋プラごみ〇〇トン削減に貢献する新素材Tシャツ。」
- 感情のコア: 社会貢献への意識（使命感）。未来への希望。
これらの事例からわかるように、「感情のコア」を宿したキャッチコピーは、「誰に向けて」「どんな感情を揺さぶり」「どんなベネフィットを約束するか」が明確です。それは、単なる情報伝達ではなく、ユーザーの心に語りかけ、行動を促すための「心のドアを開く鍵」となるのです。
※こちらでご紹介したものは、弊社で一般的に使われているキャッチコピー等を、様々なシーンに合わせて修正したものです。
特に、弊社のクライアント様等で使用しているわけではありませんので、お気軽に参考＆ご利用いただいて問題ありません。
ただし、効果の有無は・・・（笑）
まとめ：あなたのSNS投稿に
「感情のコア」を宿らせよう
SNS時代において、キャッチコピーの役割はかつてないほど重要性を増しています。それは単なる「気の利いた言葉」ではなく、投稿が拡散され、お客様の心と行動を動かすための「感情のコア」を宿すことに他なりません。
私たちは、つい「伝えたい情報」や「商品の機能」に目がいきがちです。
しかし、SNSで本当に反応が取れる投稿とは、お客様の
「何を知りたいか」
「どう感じたいか」
「どうなりたいか」
という感情のニーズに、真っ向から応えるキャッチコピーを持つものです。
今回の記事で紹介した失敗談は、「感情のコア」を疎かにした時に何が起こるかを教えてくれました。そして、成功事例は、たとえ短文であっても、お客様の心を深く揺さぶる「言葉のチカラ」があることを示してくれました。
あなたのSNS投稿は、お客様にとって「単なる情報」で終わっていませんか？
今日から、あなたのSNS投稿のキャッチコピーに、
「お客様のどんな感情を動かしたいか？」
という視点を意識して取り組んでみてください。
その「感情のコア」が宿った時、あなたの投稿は情報洪水のタイムラインの中で一際輝きを放ち、見違えるように多くの人の心に届き、自然と拡散されていくことでしょう。そして、それが、お客様との真のエンゲージメントの始まりとなるのです。
お知らせ
弊社では、定期的な情報発信を行なっておりますが、ここでは言えないビジネスのもっと濃い！内容をメルマガ、公式LINEにて配信しております。
ご興味のある方は、ぜひ下記からご登録ください！
メルマガのご登録
→https://visionconsul.com/project/mailmagazine/
コメント